関定子 Sadako Seki


オールマイティに歌える実力派ソプラノ。声域はドラマティック・コロラートゥーラで、
低音から超高音までカヴァー出来る豊かな声と、高度なテクニック・音楽性を持っている。
’77年、1年間でヨーロッパの主要な国際声楽コンクール、ヴェルディ国際声楽コンクールを初め
6つに関して優勝など6タイトルを獲得し、その実力を内外に示した。
オペラはデビュー以来、ドイツやイタリアもの、邦人作品と幅広く出演している。
一部だが、モーツァルトの主要な各役。『蝶々夫人』、『ドン・カルロ』、『マクベス』、『ナブッコ』の主要役。
その他、『額田王女』、『春琴抄』、『黒船』など日本の作品にも多数出演。
2000年以降は年を重ねるにつれ、”難役”とされる『ノルマ』、『トゥーランドット』、『ルチア』、
『椿姫』、『アイーダ』などのタイトルロールに果敢に挑戦。年齢を超えたその成果を見せつけ、聴衆を驚かせている。
一方、もう一つのメイン・ワークは〈日本歌曲〉を歌い、教え広めること・・・
歌うジャンルは驚異的で、90年代から収録された20枚に及ぶ日本歌曲のCDは、
この世界へ多大な貢献をしてきた。
中でも、100曲から成る『山田耕筰歌曲集』(`94年〈日本レコード・アカデミー賞〉受賞)は、
日本人の重要な財産となったのではなかろうか?`
94年ニューヨークのカーネギー・ホールで歌い成功を収める。
日本歌曲の可能性を海外に知らしめた功績は大きい!
’91年のリサイタル「日本民謡にルーツを求めて」で、文化庁芸術祭賞を受賞。
`94年のリサイタル「藤井清水を歌う」で再び文化庁芸術祭賞を受賞。
また、教える側に立っても、そのレパートリーの広さから多数の歌い手を送り出し、活躍させている。
古稀を過ぎたとはいえ、今の日本では、彼女の長年の経験・現在の実力、等々を鑑みて、
その存在が再確認されるべき歌手といえる。